経済産業省「DXレポート」(「デジタルトランスフーメーションに向けた研究会」2018年9月7日公表)の造語。2025年までに20世紀型IT(情報化)と21世紀型IT(デジタル化)の間に非連続性が生じること及び、それを乗り越える方策を指摘した。キャッチーな造語を前面に押し出すことで、「このまま放置すると、日本は2025年に立ち行かなくなる」という危機感を強調したかった、と理解していい。
「DXレポート」が《2025年の崖》として挙げるのは、
①人材不足(COBOL使いの退職・高齢化)
②技術的な外部要因(Windows Seaver2008/Windows7、SAP ERPのサポート終了、PHS/固定電話網の終了など)
③新技術の普及(5G、AI、RPAなど)
このほかにも新技術の普及に伴う法制度の変化やエネルギー政策の転換、東京オリンピック/パラリンピックといったトピックがある。
過剰なカスタマイズ の日本のユーザーはパッケージ製品をきめ細かくカスタマイズしているため、移行作業だけで一仕事となる。
ベンダー・ロックイン 多くのユーザー企業がITを外部ベンダーに丸投げし、外部ベンダーは保守と改造で儲けている。
スパゲティ・プログラム プログラムはスパゲティ状態。継ぎ足し継ぎ足しで建物が渡り廊下でつながり、階段を上り下りしているうち、自分がどこにいるのか分からなくなるのとよく似ている。
ドキュメント システムのドキュメント(要求仕様、設計仕様、変更記録など)、マニュアル(前述の例でいえば館内の案内図)が残っていない。
担い手の高齢化
「コンピュータの時代」の担い手は高齢化し、現場から退く年齢に近づいている。
技術的解離 20世紀型システムと21世紀型システムの技術的乖離。ウォーターフォールで開発された手続き型アプリケーションと、アジャイルで構築されたWebアプリケーションではデータ構造、データの発生から処理にいたるプロセスが違う。なかでも「バッチ処理」プロセスをどう解消するかが大きな課題といえる。